交通管制システムの概要

道路上に設置されている車両感知器や光ビーコンから各車両の交通情報を収集し、その交通情報をもとに道路の混雑具合を判断し、ドライバーへのリアルタイムな交通状況情報、所要時間情報などの提供を行います。
また、車両の走行情報を分析し、交通状況に応じた最適な信号機点灯(赤・青・黄)の制御を行います。一般道路の交通管制システムにおいては、この信号機を制御する機能が重要な役割となります。

情報収集の技術

道路上に設置してある各種車両感知器やカメラからの各種情報を交通管制センター中央装置で収集し、集計・蓄積する技術です。

提供情報作成の技術

収集した各種交通情報をもとに、カーナビやカーラジオ、道路上に設置された交通情報板などで、ドライバー向けに提供する情報を作成する技術です。

情報提供の技術

ドライバー提供用として作成した各種情報を、カーナビやカーラジオ、道路上に設置された交通情報板などで、ドライバーに最新の交通情報を提供する技術です。

信号機制御の技術

車両の走行情報を収集分析し、交通状況に応じ最適に信号機を制御し動作せれる技術で、信号機を最適に制御することにより、車両の円滑な交通流の確保を目的としています。信号機を制御する技術は、点灯タイミングの設定がポイントになります。タイミングは「サイクル」「スプリット」「オフセット」の3つの要素が重要とされます。

  • サイクル:定周期式信号機は青→黄→赤の順に表示が変わります。この一巡する時間をサイクル(周期)と呼びます。
  • スプリット:1サイクルの時間のうち一方向に割り当てられる信号時間の配分をスプリットと呼び百分率で表します。
  • オフセット:幹線道路を走る車が信号により停止することなく各交差点をスムーズに通過できるよう、隣接する交差点間の青信号が始まる時間にずれを持たせます。このずれをオフセットと呼びます。

この3要素を交通状況に応じて最適なタイミングにすることにより、スムーズな交通の流れを実現させています。

システムの仮想化と冗長化の技術

システム全体を複数のサブシステムに分割し、それらサブシステムをそれぞれ仮想マシンとして動作させる技術です。これによりハードウェアおよび設置スペースの削減、また、ハードウェアリソースの有効利用を実現します。

また、交通管制システムは24時間連続稼働される前提のシステムであり、それを実現するためクラスタリングソフトを利用し各サブシステムの冗長化を実現し、システムの運用を極力停止させないシステムを実現する技術です。

システムの構成概要